再就職手当ってご存知ですか?
失業してハローワークへ通っている方は、就職したり、私のように起業した場合、毎月もらっていた失業給付金はもらえなくなってしまいます。
しかし、条件を満たせば再就職手当という手当がもらえるのです!
今回は起業した場合にももらえる再就職手当について解説します!
再就職手当ってどういうもの?
再就職手当は、離職者に早く安定した職業について就いてもらうために設けらた制度なのです。
就職した上に、お祝い金までもらえるという、ありがたい制度!
再就職するとこれまでもらってきた失業給付金はもらえなくなってしまいます。
なので、失業給付金を全部もらい切ってから就職しなければ損だ!と思う方も多いと思います。
しかし、再就職先からの給与収入もあり、非課税の再就職手当も受けられるので、収入面では安定するのはないでしょうか。
また、失業給付金をもらうために就職を先延ばしすることはオススメしません。
やはり企業は年齢は若い方がいいですし、長い間就職しなかったことを企業は気にします。
私は、早めに就職して再就職手当をもらう方をお勧めします!
就職がなかなか決まらず失業給付金を満額もらってしまったと言うのはまた別の話ですが。。。
再就職手当がもらえる条件は?
再就職手当は誰でももらえると言うものではありません!
再就職手当をもらうためには就職した日・起業した日の前日における支給残日数が3分の1以上あることが条件です!
さらに、残日数が3分の2以上残っていた場合は、支給率が70%になります!
詳しくは下の表をご覧ください。
給付日数 | 残日数(支給率60%) | 残日数(支給率70%) |
90日 | 30日以上 | 60日以上 |
120日 | 40日以上 | 80日以上 |
150日 | 50日以上 | 100日以上 |
180日 | 60日以上 | 120日以上 |
210日 | 70日以上 | 140日以上 |
240日 | 80日以上 | 160日以上 |
270日 | 90日以上 | 180日以上 |
300日 | 100日以上 | 200日以上 |
330日 | 110日以上 | 220日以上 |
360日 | 120日以上 | 240日以上 |
再就職手当の額は、以下の計算式で計算されます。
支給残日数 × 支給率(60%または70%)× 基本手当日額
結構もらえると思いませんか?
失業手当がなくなって損だ!って思うかもしれませんが、給付日数3分の2を残して再就職すると70%ももらえるんです!
ちなみに私の場合は、給付日数が240日、起業日前日における給付残日数は205日でした。
ですので、70%の再就職手当がもらえるということになります。
仮に私の基本手当日額が5,000円だった場合を計算してみると
- 満額もらった場合・・・5,000円×240日=1,200,000円
- 残日数3分の2(70%)の場合・・・(5,000円×35日)+(5,000円×205日×70%)=892,500円
このようになります。
もちろん満額もらった方が多いですが、この差額は30万。
30万のために再就職しないで失業給付金を満額もらうより、早めに就職して早めに給与収入を得る方がお得だと思いませんか?
給付日数が短い方は満額もらっってからの再就職でも良いと思いますが、私のように給付日数が多い場合は早めの再就職・起業がオススメです!
個人事業主として起業した場合ももらえる!
再就職手当という名前なので、どこかに再就職した場合しかもらえないと思っている方もいらっしゃるかもしれません。
実は、起業でも再就職手当はもらえる可能性があります!
企業等に再就職した場合は、企業にハローワーク指定の書類を記入してもらうことで就職を証明してもらえますが、個人事業主として起業した場合は提出書類が異なります!
起業の場合は以下の書類が必要となります!
起業で再就職手当をもらうための提出書類
起業で再就職手当をもらうためには、手続きが必要になります。
ハローワークで起業したことを申告すると、再就職手当をもらえる支給日数の残りがあるかを確認され、再就職手当がもらえる可能性がある場合は、再就職手当支給申請書を渡されます。
これを提出し、審査に通らないと、再就職手当はもらえません!
待っていれば振り込まれるわけではないので、忘れずに申請をしましょう!
再就職手当支給申請書
再就職手当支給申請書の書き方はハローワークで教えてくださいますので、それに従ってくださいね!
私の場合はハローワークの方が、記入に必要な箇所にマーカーを引いてくださいました。
書類は以下のものになりますが、詳細な書類や書式などもしかしたら異なるかもしれません。
詳しくは管轄のハローワークにお尋ねくださいね!
就職の場合に就職先に書いてもらう「事業主の証明」の箇所に、個人事業主は自分で屋号や事業を行う自宅の住所など、開始した事業の情報を記入します。
再就職手当支給申請書はハローワークでもらえますが、ハローワークインターネットサービスからダウンロードもできます。
設立事業所の概要について
A4用紙に印刷された「設立事業所の概要について」という書類。
この書類が、これまた悩める書類でした。
個人事業主として起業して再就職手当をもらうのはそう簡単ではないんだなと思った書類です。
「設立事業所の概要について」という書類には、以下のことを記載しなくてはいけませんでした。
事業内容について(できる限り詳細に記入してください)
私はWEBデザイナーとして起業しました。
最初からWEBデザイナーの仕事だけでやっていけるとは思っていませんでしたが、当初の計画通りに「WEBサイトの設計やデザイン」などを記載しました。
ご本人の職務経歴、資格、技能等について(当該事業に事業に活かすことのできるものをお書きください。)
前職と関係のある仕事をするならば、職務経歴などは簡単に書けます。
しかしここで求められているのは、起業した事情に活かすことのできる経歴などです。
私は、前職とは全く異なる事業を始めることにしましたので、これといった経歴や技能はありませんでしたが、WEBデザイナー講座を受講して、HTMLやCSS、Photoshopを学んでいたため、それらを記載しました。
ちなみに私が受講していた講座はこちらです。
事業計画と今後の業績の見通しについて
・今後の業績の見通しについては、事業開始後、概ね1年程度経過時点の見通しを記入してください
・また、売上、利益、ご本人の報酬など具体的に記入してください。
一番難しかったのがこの項目でした。
今後の見通し。。。
こちらの書類は起業して1ヶ月くらい経ったところで出す書類です。
ある程度の仕事の見通しがあり起業したわけですが、最初の1ヶ月なんて手探り手探りで毎日これからどうしようと考えているところに、1年経過時点の見通しや、売上、利益など。。。
そんなのまだ考えてないよ!!ってのが本音でした。
でも、書かなければいけませんので、今後自分がどうやっていきたいかという事を改めて真剣に考えて書きました。
利益もとりあえずの目標金額を書いた上で、1年後に生活に不自由のない収入を得られるとは思っていないこと、今の努力が2年後3年後の事業の発展につながって欲しいことなどを書きました。
将来的な従業員の雇用予定及び雇用保険の加入見込みについて
ここは単純に「なし」と記入しました。
事業継続等確認書
事業継続等確認書では、書類を提出するまでの1ヶ月の事業のことを報告します。
事業開始後約1ヶ月が経過しましたが、これまでの売上、利益、ご自身の報酬はいかがですか?事業開始後に取引先と交わした契約書・領収書・請求書等がありましたら、その写しを提出してください。
事業継続等確認書は開業したと申告した日から約1ヶ月に提出したのですが、その時点で手元にあった「業務委託契約書」を2通提出しました。
業務委託契約書では、半年更新、1年更新など単発のお仕事ではなく、長期的な仕事と認められる契約内容でなければいけません。
また、事業継続等確認書の提出時点ではまだ請求書も発行しておらず売上等はなかったため、収入に関する部分は「まだありません」ということを記載しました。
その他、「当該開始した事業により自立できる状態にある」ことを判断するにあたり、参考となることがあれば記入してください。
ここは何もなかったので未記入です。
事業継続の確認について
ハローワークに自営業を申告した事業について、
- 引き続き行っている
- 既に行っていない
のどちらかに◯をつけるものでした。
私は引き続き行っていましたので「引き続き行っている」に◯をつけましたが、ここで既に事業を行なっていない場合は再就職手当はもらえないと思います。
起業後に発行した請求書は追加で後日提出
本来は、事業継続等確認書提出時に出さなくてはいけなかったようですが、月末ではなかったためまだ請求書を発行していませんでした。
これから請求書を発行する旨をハローワークで伝えたところ、請求書を発行するときが来たら追加で送ってくださいと言われました。
2つの業務について請求書を発行する予定がありましたので、後日請求書を追加で送付しました!
ちなみに、送付用の封筒(切手不要)はハローワークでいただけました。ありがたや!
書類を提出してから約3週間後・・・振り込まれました!
追加で請求書を送付してから約3週間後!!!
ハローワークから封書が届きました!!
無事に私の事業が認められ、再就職手当の支給が決定されました!
振り込みは、概ね1週間以内に振り込まれるとの記載がありましたが、私は8月15日に振り込まれていたので1週間もかかっていないですね!
事業を始めたとはいえ、企業で働いていた時のような収入はもちろんありません!
まとまったお金が振り込まれ、本当に助かりました。
まとめ
就職ではなく、起業でももらえる再就職手当!
審査が厳しいという噂もあり、なかなか貰えないというネット情報もあり不安の中申請しましたが、無事に貰えることができました!
提出書類の作成は簡単ではありませんでしたが、自分の事業について改めて真剣に考える良いきっかけとなりました。
これから頑張っていこうって思いました!
再就職手当をもらえる支給残日数で起業をされた方、ちょっと面倒ですが、最初っから仕事がうまくいくとは限らないことはハローワークの方もわかってらっしゃると思いますし、自分の事業に対する思いをきちんと伝えれば多くの収入がなくても審査を通過するのではないかと思います。
ちなみにですが、私が提出した請求書はあわせて数万円(少なくて恥ずかしかった笑)。
それでもきちんと事業をしていると認めてもらえましたから。